子どもを亡くすこと…それは想像を絶する辛さです。
自分が生きる意味を失い、毎日どう過ごせばいいのかさえわからない。
頭の中が子どものことでいっぱいで悲しみが強くて、一体どうするのが正解なのかもわからない。
そう思うことは当然です。だってそれだけのことがあなたに起きていますから。
今とても辛いですよね。全く同じ状況ではなくても、子どもを失った辛さはわかります。
この記事では、
- 子どもの死をどうやって受け入れていけばいいかわからない
- この先自分はどう生きていけばいいのかわからない
- 悲しみが強くて考えがまとまらない
と悩んでいる方へ、辛いけれど前を向くために今できることを私の経験を交えながらお伝えしていきたいと思います。
大前提として、「乗り越える」必要はありません
まず記事を読んでくださるあなたにお伝えしておきたいことがあります。
それは「乗り越える」必要はないということ。
この出来事を乗り越えることは正直言って無理です。
だって自分の最も大切なものを失ったのです。
私はきっと自分が死ぬまで無理だと思っています。
しかし現実は受け入れていかなければなりません。
私たちは生きているから。
大切な家族がいて、そして自分の命があります。
これからも生きていくために、辛いけれど子どもの死を「受け入れる」ことは少しずつしていく必要があります。
「乗り越える」必要はなくゆっくり少しずつ「受け入れる」。
亡くなった子どものことを考えると胸が引き裂かれそうな思いになると思いますが、まずはあなた自身を大切にしてください。
無理に頑張ろうとだけは決してしないでくださいね。
子どもを失うということ
子どもを亡くした背景は様々だと思います。
突然の事故、生まれつきの病気、闘病の末 など…
しかしどういった背景であれ、ついこの間までそこにいた我が子が目の前にいないという状況はそうすぐには理解が追いつかないことです。
なんというか、夢を見ているかのような。
ひどい時は朝起きて家中息子を探してしまったり。
愛する我が子がこの世にいないということがこれほど辛いことなのかと思いました。
亡くなった子どもの立場を考えると涙が止まらない
私の息子は生後9ヶ月の時に体調に異変があってわずか1日で亡くなったため、本当に突然の別れでした(解剖の結果、先天性の病気でした)。
なのでなかなか息子の死を理解することができませんでした。
そしてだんだん理解してきたら、今度は
- なぜ息子がこんな目に遭わなきゃいけなかったのか
- どれだけ辛く苦しかっただろうか
- なぜ9ヶ月しか生きられなかったのか
- 短い人生楽しいと思ってくれていただろうか
- 私が親だからこんな目にあったのではないか
と、想像でしかありませんが息子の立場を考えると胸が張り裂けそうでした。
息子が必死に頑張っていた姿を思い出すと、どうして私じゃなかったのか、どうしてこんなに可愛くて良い子がこんな辛い目に遭わないといけないのか、どうにかして助けられたんじゃないかと今でも自分をたくさん責めます。
残された親はたとえどうにも出来ない状況だったとしても何か出来たのではないかと自分を責めてしまいますよね。
そしてなぜ自分は生きていて子どもは亡くなったのか、と考えてしまいますよね。
自分のせいではなくても親としての責任を感じ、そして大切な我が子を失った今生きる意味さえ失っている方も多いと思います。
それでも世の中は動いている
子どもを失い、とにかく感覚がおかしくなります。
当たり前ですが日付は変わっていき、世の中は動いています。
けれど自分たちだけが止まってしまったかのような感覚。
いつも観ているテレビを観ても何も感じず、「今日はクリスマス!」「もうすぐお正月ですね!」とか言っていても何も心が動きませんでした。
こんなにも感情が動かないのは初めてでした。
それでも世の中は動いているから、自分たちもいつまでも止まったままでいるわけにもいかないし、家族や仕事のためにも少しずつ日常に戻っていかなければなりません。
ここからは私の経験を交えて、
- 日常に戻るためにしてほしくないこと
- 前を向くために今できること
をお話ししていきたいと思います。
子どもを亡くしたあなたにしないでほしいこと
日常に戻るため、親である自分は頑張らなければいけない!と思う方も多いと思います。
しかしあなたは深く傷ついています。
数日経つと麻痺してくることがあるのですが、ここで無理をすると再び心を病む時がきます。
そうならないためにも、あなたにしてほしくないことをお伝えします。
後追いをする
辛い気持ちはわかりますが、これだけは絶対にやめてください。
私も何度も考えました。しかし何も良いことないし一切解決になりません。
子どもを亡くした今、命の大切さについて一番わかっているのはあなただと思います。
そしてお空にいる子どもはそれで喜んでくれるでしょうか?
もしあなたが先にお空に行って、家族が後追いした場合辛くありませんか?
どうか、自分の命を大切にしてください。これだけはお願いです。
そして諸説ありますが、子どもを追いかけて自死した場合お空でも会えないと聞いたことがあります。
私は自分の人生を全うして亡くなった時にまたお空で息子に会えるかな、と信じているのでそれまで辛いですが息子との再会を楽しみに生きていきたいと思っています。
○○してはいけない、と思う
子どもが亡くなり自分が生きているという状況を考えると、
- 子どもが辛い思いしたのに笑ってなんかいけない
- 美味しいご飯なんて食べてはいけない
- 私なんかがこれからの人生楽しんではいけない
と子どもができなくなったことを自分がすることにすごく抵抗がありました。
だって子どもは身体も無くなって何もできなくなったのに、私がそんなことするのは許せない!と本気で思っていました。
しかしそんな時、自分の母親に言われました。
「あなたがどうにかなってしまったら私が耐えられない。それに息子くんもそんなお母さんを見ると心配しちゃうんじゃないかな。」
自分の母親にそう言われ、母親も子どもである私のことを大切に思ってくれていることにハッとさせられました。
あなたは今自分のお子さんのことで頭がいっぱいだと思いますが、そんなあなたを心配している人がいます。大切に思っている人がいます。
○○してはいけない、と言って身体や心を壊してしまうとあなたの親やパートナー、そしてお空にいる子どもが悲しくなってしまいます。
何か特別なことをする必要はありませんから、食べる、寝る、日光にあたるだけできれば大丈夫です。
あなたは今強いダメージを受けているのですから、むしろ自分に優しくしてあげてくださいね。
無理に元の生活に戻ろうとする
世の中は動いているので早く元の生活に戻らなきゃ、と思いますよね。
でも無理に元通りにしようと思わないで大丈夫です。
全く同じに戻すことはものすごい労力が必要になります。
今のあなたはきっと生きているだけでもしんどい状況です。
可能なら仕事は信頼できる上司に相談して少し休ませてもらう、先に伸ばせる予定は全て後回しにする、など。
正直仕事って今やらなければいけないことではないと私は思います。
元気になってからできます。
けれど今あなたが身体と心を壊してしまっては取り返しがつかないことになるかもしれません。
まずは衣食住を少しずつ元通りにして、それ以外のことは自分がやりたいと感じれるようになってから少しずつやっていったので遅くありませんからね。
周りの声を全て受け入れようとする
お通夜、お葬式、四十九日など…親戚やお知り合いとお話しする機会があると思います。
そっと支えてくれる人もいる反面、元気づけようと色々おしゃべりしてきたり無意識に触れられたくないことに触れてくる人もいます。
「まだ若いんだから頑張って!」
なんて言われた時は私もかなりしんどかったです。
今思えば、お前に何がわかるんじゃーーーーー!!!!!
と思います。
他にもまた次授かればとか時が解決してくれるとか…
しかし心に強いダメージを受けていた当時、何も考えられない状態なのでそれを真に受けちゃうんですよね。
私がもっとしっかりしないといけないんだ、とかこんなことで挫けてちゃいけないんだ、とか…
実際そんなこと一切ありません。
それだけのことが起きています。今あなたは生きていて一番くらい辛いはずです。
そんな時に子どもを亡くしたことない人に励まされたってその通りにしなきゃいけない理由はありません。
周りは結構好き勝手言ってきます。
あなたが受け入れたいと思った言葉だけ受け入れて、信頼できる人とだけゆっくり会話をして少しずつ自分を取り戻していってください。
前を向くために今できることとは
ではどうやって子どもの死を受け入れていけばいいのでしょうか。
また、この先どう生きていけばいいのでしょうか。
もちろん今でも息子を想い悲しくなる時はあるし、涙を流す日もあります。
しかし少しずつ受け入れていくことができています。
そこで前を向いて生きていくために今できることを、私の経験を交えてお話ししたいと思います。
とにかく日常を過ごす
特別なことは何もする必要ありません。ただ淡々と日常を繰り返していきます。
それだけでも少しずつ身体も心も落ち着いてきます。
朝起きて日光をあび、食事をしてお風呂に入って眠い時は寝て…
食事と睡眠だけでもできていれば問題ありません。
食欲も湧かないと思うし、眠くもならないと思います。
けれど人間ってエネルギーが無くなり睡眠がしっかり取れていないと誤った判断をしてしまいがちです。
それこそ後追いをしてしまったり周りの意見を鵜呑みにして心が壊れてしまったり…
正しい判断ができなくなってしまうので、可能な限り食事をして寝てください。
今はそれができるだけでも十分立派ですよ。
同じ境遇の人の話を聞く
直接聞くことができなくても、Instagramやブログで同じような境遇の方のエピソードを見るだけでも構いません。
私もInstagramに救われました。
私はもともとSNSをあまり利用しなかったのですが、同じような境遇の方がどのようにこの状況を受け入れていったのか知りたかったので利用してみました。
そこには同じようにお子さんを亡くされた方がたくさんいて、みなさんそれぞれの想いがありながらも前向きに過ごされている様子を知ることができました。
そして辛い時はお互い励まし合いながら。
私も何人かの方にとても心のこもったDMをいただき、どん底から救っていただきました。
同じ経験をした者同士だからこそ共感できるし、辛い気持ちをさらけ出すことができます。
ひとりで悩んでもがき続けていると、終わりの見えないトンネルにいる感覚になってしまいます。
まずはひとりで抱え込まず同じ境遇の方と交流してみてください。
また、病院などでもグリーフケアを行なっているところもあります。
大切な人を亡くされた方のための場所となっているので、きっとあなたの気持ちに寄り添ってくれるはずです。
事情をわかっている人に話を聞いてもらうだけでも心が軽くなります。
少しずつ日常に戻っていくと、知らず知らずのうちに気持ちに蓋をしてしまう場面が増えてきます。
我慢して心が壊れてしまわないよう、定期的に辛い気持ちを吐き出しましょう。
我慢せず人に頼る
親としてしっかりしなきゃ、いつまでも下を向いていてはいけない、と思ってしまう方もいるかもしれません。
実際そんなことを言ってくる人もいるんですよね。
「あんたがしっかりせんでどうすんの。」
「いつまでもメソメソしてたらいかんよ。」
なんて…
メソメソするに決まってんだろーーーーー!!!!!
何も手につかなくなって当然のことが起きているんです。
なのでそんな方々は一旦置いといて、信頼できる人やそういったサポートを行なっているところにどんどん頼ってください。
この状況で家事や仕事、きょうだいがいる場合は育児までこなすというのはかなりの負担があります。
きっと少しずつ元の日常に近づいていきますので、それまでは頼れる人を全力で頼ってください。
決して「甘え」ではありませんからね。
本を読む
私は本を読んで良かったです。
その本というのももちろん好きな本でもいいのですが、私は胎内記憶の本を読んでみました。
胎内記憶とは、母親のお腹の中にいた時の記憶のことです。
実際に読んだ本がこちらです。
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胎内記憶の研究をしている池川明先生のもとに寄せられた様々な命の物語が書かれています。
心温まるエピソードに自分の子どものことも重ねながら命の不思議や尊さを感じられる1冊となっています。
ページ数も多くなく2時間もあれば読めたので、気負いせず読むことができます。
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こちらも池川明先生の本です。
『魂』について書かれています。
子どもの魂についてはもちろんですが、自分の魂についても考えさせられました。
読み終わった後はどんな形かはわからないけれどきっとまた息子に会うことができるんじゃないかな、と思うことができました。
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当時あまりマンガを読む気になれなかったのですが、こちらは素敵な絵と素敵なお子様のエピソードでユーモアもありながら読み進めていくと自然と涙が溢れるような本となっています。
亡くなった子どもはひとりで暗いところに行って寂しい思いをしてるんじゃないかと勝手に思っていたのですが、この本を読むことで素敵なお空の世界に戻っていったのかなと思うことができ、とても救われました。
本の内容を信じるか信じないかはあなた次第です。
無理にそう思う必要もないし、あくまでこういったエピソードもあるよ程度でいいと思います。
でも私は本を読んで自分の思い込んでいたお空の世界よりとっても素敵なところかもしれないと思うことができました。
悲しいけれどもう失った子どもは戻ってきません。
しかし、この現状が変わらないのならば少しでも前向きに考えるのが自分のためでも子どものためでもある気がします。
あなたがお子様のことを大切に思っていれば、きっとお空でも元気に過ごしてくれているのではないかと思います。
自分がしたいことをする
自分がやりたいことをやって残りの人生を楽しんでいいんだろうか…
お子さんを亡くされた方は一度は考えることだと思います。
結論は、自分のしたいことをしていいんです。
理由はあなたの人生だからです。
そしてご先祖様や亡くなったお子様はきっとそれを望んでいると思います。
そんなの都合のいい考えだ、と思われるかもしれませんが私がもし先にお空に行った場合、家族が自分のためと言って何も楽しまない生活をしていては胸が痛いです。
短かったかもしれませんが、子どもは子ども自身の事情があってこの世に生まれ先にお空へ帰っていったかもしれません。
あなたにはあなたの魂が決めた人生があり、まだその人生は続いていきます。
あなたは自分の人生に起こることで笑い、泣き、苦しみ、そして楽しみ過ごしていいのです。
仕事や趣味も自分のしたいと思えることにチャレンジしていいのです。
きっとその姿をお子さんはそばで見守っていてくれていますよ。
乗り越えようとしなくて大丈夫
ここまで自分の体験談を交えながらいろんな話をしましたが、一番お伝えしたいのは
乗り越えようとしなくて大丈夫、ということです。
私も乗り越えるなんて到底無理です。
現在この記事を書いている今も辛くて涙することはたくさんあります。
泣きたい時は思いっきり泣いてください。
そして受け入れられる速度も人それぞれです。
割とすぐ受け入れられる人もいれば時間がかかる人もいます。
無理に早く受け入れなければと思う必要もありません。
周りとは比べず、ゆっくりご自身のペースで受け入れていきましょうね。
亡くなった子どもは姿はなくてもずっとあなたの心の中にいます。
ずっとそばにいるんです。
ずーっと大好きなお母さん、お父さん、家族みんなのことを見守ってくれています。
だから自分たちを責めず、心にいるお子様とともにこれからの人生を歩んでいきましょう。